フランスの家具職人であり、モダニズムが台頭する最初期の時代、家具やインテリアの分野で活躍した知る人ぞ知るデザイナーであったFrancisque Chaleyssin(フランシスク・シャレイシン/1972ー1951)をご紹介致します。
元々は父親が創業した会社を兄弟で引き継いだ家具メーカーを運営していました。Francisque Chaleyssinの弟であるJosef Chaleyssinが1923年に亡くなった後、このFrancisque Chaleyssinが1人で会社を率いていました。
彼は当時、様々な国のアンティーク家具からインスパイアされたデザインのものづくり始めました。特に活動初期の1920年代には、同じくフランスのデザイナーであったポール・フォロ(※1)の影響を受けイギリス風、ルイ16世時代の手工業品の要素を取り入れた家具を発表し数々の代表作を残しています。
Francisque Chaleyssinは元々学んでいた彫刻家としての一面が前面に出ている作品が多く、特に1920ー1930年代に製作された初期作品は非常に幾何学的で構成主義的、彫刻的なモデルが多いのが特徴的です。この時期は家具職人であり装飾家であったAndré Ducaroy(アンドレ・デュカロワ/Francisque Chaleyssinの義理の息子)がデザイン部門を支え強力な体制時代でもありました。
戦後は打って変わりモダニズムのスタイルに舵を切った家具を提唱しましたが、Francisque Chaleyssinが1920−1940年代の戦前に手掛けた初期作品は現代において高い評価を獲得しています。
この度、製作からおよそ100年が経過するFrancisque Chaleyssinによる初期作品が入荷しましたので、ご紹介致します。未だ見ぬ「古き新しいもの」に関心の強い方に向けお薦め致します。
彫刻、絵画、美術工芸、手工作、家具、それぞれを不可分の構成要素として統合していた時代の大変貴重な作品となります。
Francisque Chaleyssin Armchair
→
https://shop.archeologie.jp/collections/all/products/francisque-chaleyssin-armchair
Francisque Chaleyssin Art Deco Limed Oak Shelf
→
※1/ポール・フォロ(1877ー1941)は第一次世界大戦前の高級家具や装飾美術品のフランス人デザイナーです。ドイツのバウハウスの流れ、近代化運動に反発して、フランスの職人の仕事を強力に推進したアーティストのグループL'Art dans Toutの創設メンバーでもありました。