家具から建築までデザインするスキーマ建築計画を主宰する長坂常(ながさかじょう)による家具作品が入荷致しました。
School Desk Set by Jo Nagasaka / 2009's
→ https://shop.archeologie.jp/collections/all/products/jo-nagasaka-school-table-set
長坂氏による仕事、スキーマによる仕事は、それぞれの作品が持つコンテクストへの理解を深めることで輝いてくるものが多分にあり、逆説的に言えば、鑑賞者やものの使い手がその読解努力を怠ってしまうと、作品は輝いてこないということになってしまいます。
長坂氏、スキーマの仕事、作品が備える抽象性はアートに密接しており、それぞれの家具作品の価値への理解も深めていきたいという想いから、本日の記事を書かせて頂きます。
本品は2009年、表参道のGYREで行われたアートブックのフェア"ZINE'S MATE"の会場構成を長坂常が手がけ、そこで使用されたデスクセットです。元々は小学校で使用されていた学習机と椅子で、天板のエポキシ加工をペインターの なかむらしゅうへい氏が手がけました。
スキーマによる代表作「Sayama Flat」「奥沢の家」が生まれたのが2008年であり、今なお語り継がれるようなワークショップも多く開催されていた時期でありました。住宅のリノベーションに続き、家具のリノベーションという概念構築に勢力的だった時期にスキーマとなかむらしゅうへい氏による素晴らしい協業作品が多数生まれたのものこの時期となりました。
本品の天板をコーティングする染料をエポキシに混ぜ、周りに型枠を組み、流し込むことで天板の凸部は透明になり素地が見え、凹部は濃い色になり素地が消え染料の色に変化し独特なグラデーションを生み出しています。水がまだそこにあり、常に流れているような、そこに風があるような表情も特徴的です。
目の前にある作品が「カッコ良いものなのか」「かっこ悪いものなのか」鑑賞者自身の物差し、価値観を問うてくるような無言の存在感があり、破壊的、且つ挑戦的な姿勢が伺える作品です。
経年変化の異なる古いものを用いる「家具のリノベーション作品」であり、塗装の色ムラもコントロールできない部分を孕んでおり、表情の同じものは2つとありません。「最小の1手で、それまで元々の家具が築いてきたコンテクストを別の次元のものに置き換える」長坂常、スキーマの世界観が凝縮された作品を、アート作品を楽しむように住空間でお楽しみ頂きたい1点です。
長坂常による家具作品はもう1セット入荷しておりますでの、ご興味のある方は以下の作品もご覧ください。
Table Set by Jo Nagasaka / 2015's
→ https://shop.archeologie.jp/collections/tables/products/table-set-by-joh-nagasaka