この度Archèologie Studioにミッドセンチュリーに活躍したフランス人デュオが手掛けた貴重なウォールランプ作品が入荷致しました。今日はこの2人組であったデザイナーRobert Guillerme(ロバート・ギョーム)とJacques Chambron(ジャック・シャンブロン)についてご紹介致します。
Robert Guillerme(ロバート・ギョーム)はパリの美術工芸大学École Boule(エコール・ブール)でデザインと建築を学び、1934年に卒業しました。第二次世界大戦後はフランス北部の街リールに移り、装飾デザイン、家具デザイナーとしてのキャリアをスタートしました。
Jacques Chambron(ジャック・シャンブロン)はフランス北東部の都市ランスの応用美術学校École Supérieure d'Artで美術と装飾を学んだ後、パリで画家として活動していましたが、1948年からロバート・ギョームと共同デザインの活動を始めました。
2人は第二次対戦中に東プロイセンでドイツ軍に投獄されていたときに出会いを果たし、デザインに対する彼らの理念が一致していたことでこれが運命的な出会いとなりました。
無事に帰国を果たした2人は大戦後の1949年、共同でパリに店を構え、ここに家具職人のÉmile Dariosecq(エミール・ダリオセック/元木工店のオーナーでキャビネットメーカー)が加わり、3者による工房Votre Maisonが設立されました。
ロバート・ギョームとジャック・シャンブロンのデュオによる理念は、「Votre Maison /英訳:Your House(日本語訳:あなたの家)」という工房/会社の名前にも表れています。彼らは仕事において当時革新的なデザインを生むと同時に、機能性で、日常生活での実用に永く耐えうる家具クオリティーを追求していました。ロバート・ギョームの家具デザインとジャック・シャンブロンの美術的、彫刻的なアプローチが掛け合わさって生まれたデザインも大きな魅力の1つです。
Votre Maisonの家具は木製素材のクオリティが非常に高く、フレンチミッドセンチュリー独特の美しいフレームの曲線とロバート・ギョーム、ジャック・シャンブロンの細部へのこだわりが実現されており、日本ではまだまだ認知度は低いものの、欧米の一部のギャラリーからは既に高い評価を獲得しています。Votre Maisonはジャック・シャンブロンの息子Hervé Chambronが1983年より指揮を執り、1990年代まで家具の製造を続けました。Votre Maisonは50年代、60年代、70年代に名作の家具デザインが数多く生まれ当時の多くのデザイナーにも影響を与えていましたが、現代においてミッドセンチュリー期の作品の流通量は非常に限られたものとなっています。
当時の素晴らしいデザインデュオが手掛けたフレンチミッドセンチュリー期の貴重な作品にご興味のある方は下記のページよりご覧ください。
Wall Mounted Lamp by Guillerme et Chambron (1950’s / France)→
https://shop.archeologie.jp/collections/all/products/wall-mounted-lamp-by-guillerme-et-chambron