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フレンチモダンデザインの旗手Joseph-André Motteによるラウンジチェア入荷のご案内

フレンチモダンデザインの旗手Joseph-André Motteによるラウンジチェア入荷のご案内

 

 

この度Archèologie Studioでは、戦後のフランスで活躍したデザイナー「ジョセフ・アンドレ・モット」によるアームチェアが2点入荷致しました。近年評価が高まっている人物のため、あまり聞いたことがないという方もいらっしゃるかもしれません。本日のジャーナル記事では、この素晴らしいデザイナーをご紹介させて頂きます。

 

 

Joseph-André Motte(ジョセフ・アンドレ・モット/1925-2013)はインテリアデザイン、また家具やランプのデザインの領域において戦後のフランスで活躍し、当時のフレンチエレガンスを極限まで昇華させた偉大なデザイナーでした。


1925年にフランスで生まれたジョセフ・アンドレ・モット(以下モット)は、苦しい戦中時代を過ごしながらも、戦後は家具の工業化とモダンデザインによる大衆の生活呼向上に貢献するのだという確固たるというビジョンを持っていました。Ecole des Arts Appliquésでは当時の教師であったRene'Gabriel(ルネ・ガブリエル)やLouis Sognot(ルイ・ソニョ)らから学び、卒業後の1948年からパリの老舗デパート、ボン・マルシェで家具デザイナーとしてのキャリアをスタートさせました。


1952年よりMarcel Gascoin(マルセル・ガスコアン)、Rene Jean Caillette(ルネ=ジャン・カイエ)、Alain Richard(アラン・リシャール)ら当時のフランス最高峰のデザイナーたちと協業しながら、同世代で最も先見の明のあるデザイナーとして知られるようになり、頭角を表していったモットは1954年から独立しました。さらに学生時代に同僚であったPierre Guariche(ピエール・ガーリッシュ)、Michelle Morgan(ミッシェル・モルティエ)と共にA.R.P( Atelier des Recherches Plastiques )というデザインユニットを設立し、家具デザインの領域で独自の活動を行っていきました。


その後は籐製の「トリポッドチェア」(別名クリステラ)、ディスドロ社のためのランプ、スタイナー社のための771チェア、770アームチェア、740アームチェア、プリズムオフィスチェアなど、次々と代表作を生み出していきます。

 

キャリアの成熟期において彼はシャルルドゴール空港やオルリー空港のレイアウト、ルーブル美術館のインテリアデザイン、パリのメトロ内の家具デザイン(カラーシェルチェアのデザインで有名です)などフランス国内の多数の公共施設のためのインテリアデザインや設備のデザインも手がけフランスの文化的な成熟に貢献を果たしました。



モットは当時の最先端の技術や素材を用いて古典的な家具のフォルムや設計を見直し、伝統的な素材と新しく開発された素材をハイブリットに使い分けながら、洗練されたモダンなフォルム生み出した偉大な先達の一人であり、フレンチモダンデザインの文脈においても最も優れたデザイナーの1人であると言えるでしょう。


これまでルネ・ガブリエルやピエール・ガーリッシュへの再評価が先行してきましたが、不当に見過ごされてきたモダニストが驚くべき作品の設計力、クオリティの家具を生み出していた事実、戦後のフレンチデザインに最も影響を与えた文脈、また1970年のコンパッソ・ドーロ賞受賞、1975の年のルネ・ガブリエル賞受賞などの歴史も研究され、今日では欧米の気鋭ギャラリー、老舗ギャラリーによるモットへの再評価が進んでいます。


改めまして、この度Archèologie Studioでは、上記ご紹介しましたジョセフ・アンドレ・モットによる代表作となる大変貴重な作品が2点入荷しました。ご興味のある方はこちらのページをご覧ください。2脚、対でレイアウトできるのもヴィンテージ 家具の使用においてはなかな実現できることではなく、嬉しいポイントではないでしょうか。



https://shop.archeologie.jp/collections/chairs/products/pair-of-armchairs-740-joseph-andre-motte-for-steiner