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ジャン・プルーヴェによる代表作「Chaise Tout Bois(シェーズ・トゥ・ボワ)」入荷のご案内

ジャン・プルーヴェによる代表作「Chaise Tout Bois(シェーズ・トゥ・ボワ)」入荷のご案内

 

 

現在、東京都現代美術館ではジャン・プルーヴェ展が開催されています。

 

 

とても良いタイミングにて彼の大変貴重な作品が入荷致しましたので、ご紹介致します。

 

 

ジャン・プルーヴェによる代表作「Chaise Tout Bois(シェーズ・トゥ・ボワ)」は彼が手掛けた唯一木だけで作られたモデルです。本シリーズの中でもほとんど市場に出回らないとされるビーチ材が採用された個体となります。

  

 

設計はスタンダードチェアに類するものですが、第二次世界大戦中の金属不足、資源不足の背景があり、金属製の台座の代わりに木材が使われいるのが特徴です。ネジを一本も使わない最初期のモデルから一段階更新された際のモデルにあたるものでしょうか。マイナスビスに加え凹凸のあるリングで固定された構造の座面と背もたれになっており、大変珍しい仕様となっております。背面の形状もスタンダードチェアと少々異なっている点も興味深く、彼の試行錯誤の痕跡が見られます。

 

 

「シェーズ・トゥ・ボワ」のフォルムは、人体の荷重が最もかかる座面と背もたれの間の移行部分に強度を持たせるというプルーヴェの意図に基づいています。これはプルーヴェによる建築デザインにおいても同様の特徴となっています。このことから、ジャン・プルーヴェが家具と建築の設計を同じように捉えていた思想を汲み取ることができるでしょう。

 

ジャン・プルーヴェは第二次世界大戦中、この椅子の構造強度、接合部、脚の位置、座と背の接続などを検証するために、いくつかのプロトタイプを制作しており、現在東京都現代美術館で開催中のジャン・プルーヴェ展でも設計の変化を体感頂くことができます。

 

 

戦後はオーク材の供給が安定されるようになり、その硬さと強さから、フランスでは船や大聖堂の屋根の建設によく使われていました。これらの特性は、木製の椅子としても理想的であったため「トゥ・ボワ」は最終的にオーク材と合板で作られいましたが、本品のモデルのように戦中に製作されたものの樹種は、当時入手可能なものによって決定されたようです。

 

 

1947年、プルーヴェは本作「トゥ・ボワ」のデザインで「Meubles de France(ムーブル・ド・フランス)」コンクールで賞を獲得したことで、業界内での存在感を高めました。その後、インダストリアルデザインに本格移行すべく「トゥ・ボワ」は金属と木製のノックダウン式に変わり、さらに金属製の台座に木製の座面と背もたれを組み合わせたモデルNo.305に変わり、現在では最も有名なスタンダードチェアが完成したと言われています。

 

 

彼の初期作品となる本作はジャン・プルーヴェらしい機能的な構造設計と魅力的なコントラストを備えながらも、木の温かみのある表情と手触りまでお楽しみ頂くことができる大変貴重な1脚です。

 

 

ヴィンテージ家具の中でもトップピースと評価される本作、建築、インテリア、家具の愛好家の方に、是非コレクションに加えて頂きたい1脚です。ご興味のある方はこちらのページをご覧ください。

 

https://shop.archeologie.jp/collections/all/products/tout-bois-chair-by-jean-prouve-1940s